■活動日誌(7)

脚本づくり(五日目)&ロケハン
7月20日(土)タマゴ(日本映画学校班)
今までの話し合いをふまえて、脚本の中身について進めていった。ストーリーのおおまかな流れ、目指している方向をより具体的なものにしていく。

テーマは「友達関係って難しい」。友達という身近な人との微妙な距離を、どのようにしたら映画に表現できるのか。このことを考えるための参考として、映画「友だちのうちはどこ?」「運動靴と赤い金魚」を観てくる約束になっていた。いじめられている、いじめている、またどっちにも属さない中学生が登場してくる物語だ。その対人距離をあからさまな行動で表現するより、小さな動きや些細な変化によって映し出していこう、となった。とても険しい道のりになりそうだな・・・と感じた。それぞれのアイディアを体験談とともに出し合う。現時点で大切なことは、より多くのアイディアを出し、その中から使えそうなものを広げていくということ。1つのアイディアを、どう映像化したら観る人に伝わるのか。また小道具についても、映画に使えるもの、また適当ではないものを考慮しながら決めていく。徐々に映画の作り手としての意識が強くなっていることを感じることが多くなった。

午後からは、脚本の完成を意識しながら進めていく。登場人物を決め、今まで話し合ったこと、使えそうなアイディアを取り入れてストーリーを作る。指導の先生のもと、テーマを見失わずに、多くの意見が積極的に出てくるようになった。タマゴは「友達関係」という複雑な人との関係が中心となるので、図を書きながら、登場人物を整理していく。そして、脚本の流れを、初めから結末まで作ることができた。

最後に、登場人物とキャスティングを決めていった。早速、先生役がスタッフから決定。タマゴは学校での撮影が多くなるので、これから中学校の方やエキストラの方の協力が必要となりそう。明日から脚本の完成を目指して一踏ん張りだ。


7月20日(土)FANATIC◇2002(ミュージアム班)
今日は、前回中学生たちの投票で決まった「宝くじ」の脚本をもとに、各自で脚本を練り直してくるという宿題のもと話が進められた。まず書いてきた脚本をまわし読みし、その後で各自意見を発表。みんな良く書けていて性格も出ていて面白い。ほとんどみんな、元になった脚本同様に宝くじが当たり、お金を使いたいことに使うが心が満たされず最終的にお金に対する意味(価値)が重要ではないことに気づきお金を寄付する、というものだった。が、1人の脚本は、宝くじは当たるのだが、小額(300円)。その少ないお金でも花火をするなどをして心持ちで十分楽しめる、というもので、そういう結末もあったのか、そういうのも面白いという意見が参加生の中から多数挙がった。

その後、結末を大金を当てて寄付するか小額を当てるかで話し合いが進められる。お金に対する価値観が変わったからといって残りのお金を寄付するのは少し安易で綺麗すぎるのではないかという意見が出される。さらに寄付というものは心から助けたいと思った場合にするものであり、お金は二次的なもので、お金が余ったから寄付をするというのは本当の寄付ではなく寄付というモノを買う行為であり最低な行為であるという厳しいが的を得るより、最終的には寄付にしようと思っていた(たぶん)生徒が固まってしまった。そしてあまり意見が交わされなくなり重苦しい雰囲気になったのを感じたサポートスタッフから中学生だけで結末をどうするか話し合ったほうがいいのではないかという意見。

お昼をとりながら中学生だけで考えることになる。サポートスタッフが部屋に戻ると、みんな、めちゃくちゃ笑っている。なんだ? この1時間に何があったんだ? 参加生同士の距離がぐっと縮まったような感じがした。

話し合いの結果、小額を当てるという結末にすることになった。その後、脚本組とロケハン組に別れ、脚本組は脚本の練り直し、ロケハン組は宮内中学校への挨拶と宝くじ売場の撮影の交渉に向かう。脚本組は先生から熱い指導を受ける。いくら元の脚本があるからといって1時間ちょっとで書いてしまうなんて、すげーなー、慣れてきたなーって感じたよ。脚本は結局その場では決まらず、自宅で書き直し明日持ってくることになった。

ロケハン組は、宝くじ売場に交渉した結果、中学生が宝くじを買うことを映画として公開することに問題があり、撮影はできないと窓口のおばちゃんに言われたそうだ。そして詳しくは月曜日に会社のほうに連絡をしてほしいとのことだ。脚本を読んでいただければ宝くじ売場を使わせてもらえると思うのだが、そこは交渉次第。がんばって!!


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