■活動日誌(4) |
脚本づくり(二日目)
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6月29日(土)FANATIC◇2002(ミュージアム班) |
引き続き脚本づくり。「共同作業がいよいよ始まった」という感じで、映画づくりの実感が湧いてきた。
午前中。先週提出された原案をもとにそれぞれが執筆した脚本を回し読み。 試験とぶつかったこともあってか、脚本を書ききれなかった参加生たちはその間も熱心に筆を走らせる。作文さえ提出していなかった参加生もアイディアを出そうと机に向かうが、どうも落ち着かない様子。出来上がっていた脚本は4本。 |
午後は、これに午前中執筆の脚本を加えて、みんなでディスカッションをする。
最初の脚本は、幼なじみの可愛い女の子に恋心を抱く同級生の男の子のお話。男の子の心の動きがよく出ている、ユーモラスな脚本だ。ただしラストがありきたりなので、工夫が必要という意見が出る。 次は、宝くじで500万円当選してしまう中学生の話。ラストは社会派。指導の先生はこの作品のテーマに賛同。しかし、サポートスタッフから中学生だけで本当に500万円ものお金をあっさり銀行から受け取れるのだろうか、という意見があがり、その受け取り方を考えるだけでもドラマが生まれるとの貴重なご指摘。とても勉強になる。
次は、積極的な女の子とおとなしい女の子の親友同士が勇気を奮って告白し、見事恋が実る話。会話のやりとりがとても生き生きしている。むしろ同じ男子を好きになって、親友同士がぎくしゃくした方が面白いと指導の先生からもっともな意見。書いた女子中学生は「それ、いやだな〜」と実感こめてつぶやいていた。 次の作品はシュールで着想が面白い。顔が異様に黄色い乙女系の男の子が主人公。「黄色」の原因はカレーの食べ過ぎ!?だそうだ。「カレーが食べたくなった」の意見、多数。 次の女子中学生の脚本は、死神が自殺を選んだ少年に生き直すチャンスを与える、というちょっとシリアスな話。原案からの工夫が光っている。最初自殺は重すぎるので避けたほうがいいのでは、という意見も出たが、やはりこの物語にはそれぐらいの重さも必要ということになった。 その他のメンバーはまだアイディア段階。次回以降に期待。みんなの脚本、ほんとによく書けていて、完成品に近いものもある。改めて驚かされた。日を重ねるごとに映画へと近づいていく喜びは他に代えがたく、中学生たちもそれを徐々に感じてきているように思う。
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6月30日(日)タマゴ(日本映画学校班) |
前回絞った2つのテーマ「悪友から抜け出す」と「記憶喪失」で書いてきた作文をみんなで読む。
まず、「記憶喪失」をテーマにしたものは、3秒後がわかる、二重人格、クローン人間、などのアイディアが出される。記憶喪失になることについてみんなの考えを出し合う。指導の先生がみんなにいろいろ質問。みんな、難しくて何を答えたらいいのか悩んでいたようだ。サポートスタッフにも難しかったものね。 午後も引き続き話し合い。「記憶喪失」のテーマの芯を固める。みんな、記憶をなくして今の自分じゃなくなってみたいという変身願望があるようだ。でも、やっぱり今の自分に戻りたいし、自分の記憶がなくても周りの友人や、家族には自分のことを覚えていてほしい。最終的には記憶を取り戻したいと思っているようだった。
次は、「悪友から抜け出す」をテーマに話し合う。万引きを断れない、悪くなっていく友人たち、旅に出る、不思議なコイン、といったアイディアが出される。それから、友人関係でどんな難しさを感じているのか、いじめたこと・いじめられたこと・いじめを見たこと・誘いを断れない状況など、自分たちの体験を出し合う。指導の先生やサポートスタッフのワルだった頃の話も出た。 現代っ子、と言われるジュニアたち。でも、なんだか自分が中学生だった頃に感じていた心のモヤモヤと今の中学生たちの心のモヤモヤはそんなに変わらない気がした。 最後にプレゼンテーションをし、テーマは「悪友から抜け出す」に決定!した。脚本のテーマを決めるにあたって、たくさん意見交換をし、ジュニアたちも慣れてきたようで自分らしさを発揮し始めた。みんな個性的で楽しいメンバーだ。
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