2000/日本/95分 監督/冨樫森 出演/小日向文世、派谷恵美、原田美枝子

● STORY ●
主人公の中学ニ年生の女の子、松本チアキ(派谷恵美)は中学に入る時、自分にルールを作った。「1、友達を作らない」「2、クールに生きていく」。今のところそれは守られている。だから学校でも孤立している。そんなチアキの前に、オカマの菊ちゃん(小日向文世)が現れる。菊ちゃんと遊ぶ、ご飯を食べる、海へ行く…そのうちチアキの中で何かが変わり始める。

● COMMENT ●
この映画には、ひとの心にふわりと入ってくるようなやさしさがある。それはまるで映画に出てくるオカマの菊ちゃんの持つやさしさに似ている。だれもが、一人でも菊ちゃんのようなひとに出会えたら、素敵なことだろうと思う。主人公のチアキは、菊ちゃんと出会うことでひとの痛みもわかるようになる。観終わったあとになんだかせつなさがこみ上げてくる。富樫森監督はこの映画が初監督作品。小日向文世演じる菊ちゃんにも注目だ。

ゲストトーク 冨樫森監督 派谷恵美氏 小日向文世氏

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2000年/タイ/104分 監督/ヨンユット・トンコントーン 出演/チャイチャーン・ニムプーンサワット、サハーパープ・ウィーラカーミン

● STORY ●
外見は男…でも心は女、つまりオカマのジュンとモン。二人はバレーボールをやりたいのだが、国体のチームにはオカマだからと入れてもらえない。諦めきれない二人はオカマのチームを結成する。監督はなんとおなべ。彼(彼女?)らが様々な偏見や差別を受けながらも国体優勝を目指す、明るく元気なオカマパワー炸裂!のスポーツ根性映画。80%が実話というこの映画はタイで、そして日本でも大ヒットを記録。

● COMMENT ●
昨年3月、 プーケットではディカプリオ主演の『ザ・ビーチ』と同時公開されていた本作。おかまが市民権をもつ土地柄と『ザ・ビーチ』への地元民による反対デモもあってか、本作のおかま達の人気はディカプリオの比でなかった。上映前にプミポン・タイ国王の映像が流れると、館内一斉に起立して国王に敬意を払う。そのあまりにも厳粛なムードには、屋台の水で下したお腹の痛みも忘れたものの、その後おかま達が繰り広げる喜怒哀楽に、私のお腹は二重に苦んだ。