Part7(2002年2月20〜25日)
再現シーン・冬編

2002年2月20日(水)小雨のち晴れ
東京での昼夜の準備で眠い体にムチを打ち、なんとか新潟に上陸。そこで僕たちを待っていたのは雪、雪、雪であった。福岡生まれの塩浜君(助監督)、栃木の宇都宮生まれの僕にとって道ワキの人の背丈を越す雪のカベはあまりにも圧倒的だった。

役場であいさつをすませて、久々の小松倉との再会。しかし、別世界。雪、ユキ、ゆき・・・。でも人々はいつもどおりにエネルギッシュだった。

夕食は村長、役場の企画係の五十嵐さん、同じく役場の建設課の小川喜太郎さんとうなぎ屋へ行く。時間がなかったので雪道を飛ばす。うなぎは本当にうまかった。(ほんとです。あんなうまいうなぎは初めてでした)
あいかわらずこの村の人々は豪雪をもろともせず圧倒的に生きている。

拝啓、おひさしぶりです。これから2週間、またご迷惑をおかけします。どうかお手柔らかに・・・。
初日なのでこれくらいで。(美術 山形哲也)               
雪が重そうだと初めて思った。
半袖でもなんとかやれそうだ。(助監督 塩浜雅之)

2002年2月21日(木)
朝一番で役場へ。昨晩あったという制作委員会の様子などを聞く。
8:30に着くから8:00に出ようと昨晩話していたのに美術の山形君は起きてこない。昨日、哲ちゃん(以下哲ちゃん)は、「ぶん殴ってもいいから起こしてください」と言った。哲ちゃんは起きてこなかったがかわりにカメラマンの松根さんからTEL。今日ロケハンに来るそうだ。丁度、水路トンネルの様子を見て除雪個所を決めようと思っていたので好都合。

夜、哲ちゃんと死に方について話す。その他いろいろなことも。
結論はリアルはシビアであるというもの。(?)
俺は人間というものを考えた時、俺は鬼だなと思う。
強さの象徴でない方の観念的な鬼。
人を人と思わない鬼。
寒さと雪は人間を哲学的にする。太古、人類が暑いアフリカから寒い北半球に移動してきた時、人間は食料の備蓄を覚え、余った時間を思索にふけった。星ボシを見て神話を生み出したのではといつか誰かの話で聞いた。

ストーブをつけないと息が白い。久々に寒い。(助監督 塩浜雅之)

2002年2月23日(土)
水路トンネルの雪かきとレール敷き。応援多数。感謝感謝。一司さんのユンボはホントに生き物だ。ちゃんと飼いならした犬みたいな。
喜太郎さんのあいかわらず迅速な対応。皆さんの雪かきの手際の良さ。ホント、いたらない現場監督ですいません。若い大工さんとお疲れ会でのワダラの打ち合わせ、「なんでも協力しますので言ってください」。・・・泣けました。

今日で4日目。もう4日目。皆さんにおんぶで抱っこで今日も無事終了。
しかし、ねむい。毎日ねむい。
明日も早い。おやすみなさい。(美術 山形哲也)




なんとか終わった。一大イベント。意外と早く終わって今日分かった事がひとつ、歌麿はランパブらしい。(?)
もうひとつ、貴明さんは本当にUFOを見たらしい。
山古志はUFOが多いのだそうだ。
金倉山になにかありそうだ。
誘ってくれたら行くのになあ・・・。(助監督 塩浜雅之)

2002年2月24日(日)
今日は5日目。トラブル多し。
午前中は昨日のユンボ作業の残りと小松倉衣装探しの旅。順調。

午後に入るとロータリー除雪車(雪を食って上から吐き出して除雪するマシーン)の試運転と松之山の家の外観視察(片道2時間)。冬の萱葺きの家の冬の外観を撮るためだ。除雪車の件はロータリーの話がうまく通っておらず30分ほど待って中止。松之山にいたっては家の方が冬に別の場所で生活しているため行ってみたけど家は雪の中に埋まっていた。

疲れきった助監督は立ち直るべく温泉へ行くことを試みる。
が、失敗。・・・閉まってました。
まあ、こんな日もあるさ、といった彼の背中にはなんともいえぬ哀愁が漂っていたとか、いなかったとか・・・。
まあ、こんな日もあるさ・・・。あしたは頑張ろう!(美術 山形哲也)

朝、昨日の作業の残りを手作業にてやる。雪のならし、小屋への火入れ、等。
一司さんがユンボで地盤を叩いてくれた。これで埋まらなくてすみそうだ。
なにしろ俺の体重は人の倍。われながら太りすぎだっちゅうの!
午後は松之山へ行って実景撮りの話をしてこようと思い現地へ行ってみたけど走れど走れど家はナシ。見た風景だが家はナシ。日は暮れるし、家は見つからない、でとっても疲れた。(助監督 塩浜雅之)
2002年2月25日(月)
6日目。
今日は夏からの自分の成長ぶりに驚く。夏の場合、おそらく1日以上かかっていた仕事を半日で終わらせることが出来たからだ。





たとえば衣装ひとつ借りる場合。どこにいってもまずお茶がでる。
まあまあ、お茶でも飲んで・・・なのだ。
でも時間のない時はそのお茶を飲んでる時間はない。
相手に失礼のないようにどうやってお茶を断るか・・・。
ゆっくりお話は聞きたいが、時間はない。あ〜、このジレンマ。

でも最近は失礼のないようにできるようになった。
ささいなことかもしれないけど僕にとっては大きな収穫です。
明日もがんばります。(美術 山形哲也)


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