特集:「しんゆりバリアフリーシアター」は20周年を迎えました

KAWASAKIしんゆり映画祭のバリアフリーシアターは、20年前、副音声イヤホンガイド付上映からスタートしました。以降、聴覚障がい者向けのバリアフリー日本語字幕付上映、育児中でも映画が見たいという方のための保育付上映など、どなたにでも気軽に映画を楽しんでいただくための活動を続けています。副音声ガイドの制作は、台本づくりから、作業をすべて、ボランティアスタッフが行っています。

今回、20周年特別企画として、「実験劇場」としてスタートした「しんゆりバリアフリーシアター」の歴史を、活動歴2年目のスタッフが漫画で紹介。また、制作に関わった方々にインタビューを行いました(随時更新予定)。どんなエピソードが飛び出すのか?ご期待ください。

しんゆりバリアフリーシアター20周年記念 音声インタビュー(YouTube)

しんゆりバリアフリーシアター」20年のあゆみを、関わってきた方々の音声インタビューで振り返ります。

★さんざし代表 武村桂子さん(聞き手 当映画祭バリアフリー班スタッフ・滝沢春江)

音声インタビューはこちらのリンクから聞けます(YouTube動画が開きます)→https://youtu.be/R0HcUeT8sXM

今回お話をうかがったのは、朗読ボランティアグループ「さんざし」代表の武村桂子さん。 「さんざし」は1991年から川崎市北部を中心に、朗読を通して幅広い活動をされているボランティア団体です。 (※「さんざし」HP→ http://web-k.jp/oburi/sanzashi/

中途の視覚障がいをお持ちの武村さんは、以前から歌舞伎のファンで、劇場の音声ガイドに慣れ親しんでいました。そんな武村さんは、「映画の場面の説明も歌舞伎の音声ガイドのようにイヤホンで聴けたら?」と思いつき、初代映画祭代表の武重邦夫に問い合わせの電話をしたことが、副音声ガイド付上映の原点になったとのこと…。

映画祭のなんでもやってみよう精神と、「さんざし」とのめぐり合わせで、手探りの上映会企画はこうして始まりました。

初期は「さんざし」と、映画祭の二人三脚で、日本映画の副音声台本づくり。 目の見えない方に伝える音声ガイド台本を作ることは試行錯誤の連続でした。

3年目にして、初の外国映画『ライフ・イズ・ビューティフル』に挑戦。

日本映画は、台本のト書きを参考に場面説明を付ける音声ガイド台本を作っていきますが、外国映画の音声ガイドづくりは少し複雑です。日本語の台本がないのでト書きもありません。翻訳された日本語字幕テキストから台詞を起こし、場面説明の指針になるト書きがないところから音声ガイド台本を作ります。さらに外国語の台詞に日本語の台詞をのせる日本語吹替のアフレコ作業も加わります。

7年目の韓国映画『猟奇的な彼女』では、日本語吹替のために声優さんを募集したこともありました。

武村さん曰く、言葉はわからなくても、外国の俳優さんの音声も残して吹き替えをのせることに、外国映画のバリアフリー上映の魅力があるとか…。

漫画で描く 「しんゆりバリアフリーシアター」のはじまり

「さんざし」武村さんのお電話がきっかけに始まった、バリアフリーシアター。でも、どうつくるの?

フィルム上映をしているシネコンが映画祭会場だった当時は、通常上映の邪魔にならずに音声ブースをつくり、ぶっつけ本番の生放送?!で副音声イヤホンガイド上映をすることに!

当時のエピソードを漫画でご紹介!

後日アップのインタビューでは、初期のフィルム上映・シネコン会場で試行錯誤した当時の証言も。お楽しみに!(漫画:ボランティア K)

年表 「しんゆりバリアフリーシアター」20年のあゆみ

20年前はバリアフリーシアターという概念もなく、まずは作品使用許可をいただくことも難しい中でのスタートでした。

初回は、しんゆり映画祭に深いかかわりのある今村昌平監督作品『うなぎ』のト書き部分を音声解説する、邦画のバリアフリーシアターからスタートしました。(漫画:ボランティア K)

バリアフリー活動の模様を一部、写真で紹介します。

2003年写真

入場前にイヤホンを配布(2003年)

2004年写真

収録風景(2004年)

2005年写真①

受付(2005年)

2005年写真②

音声ブースで副音声を朗読(2005年)

2009年写真①

「音声ガイド制作体験講座」も開催(2009年)

2009年写真②

副音声収録(2009年)

昨年、「もっと多くの方にバリアフリー上映を知っていただきたい!」との思いで公開した「マンガで知る! バリアフリーシアター!!」も併せてどうぞ!→こちら(PDF)

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