オープニング上映


 

2002年/米/180分
監督:ミロシュ・フォアマン
出演:F.マーリー・ エイブラハム 、トム・ハルス 、エリザベス・ベリッジ

★ソウル・ゼインツ(プロデューサー)秘蔵インタビューVTRつき
◆アカデミー賞8部門受賞

神は何故この世に天才を創りたもうたのか。ある意味それは愚問である。太陽にその存在価値を問うようなものだからだ。全てを燦然と照らす太陽とは反対に、月はその太陽が身を隠した時だけその美しさを表す。貧しい生い立ちの宮廷作曲家サリエリが天才モーツァルトに抱く病的なまでの執着は、月が昼間の太陽を愛し、憧れながらもそれが沈むことを願うのに似ている。そしてその太陽が沈んだ時、一番嘆き、悲しむのが月なのだ。とにかく全ての絵が美しい。人間の弱さ、狂気、そして愛。アカデミー賞8部門受賞のオリジナルから10数年経った昨年リリースのディレクターズカット版である。前作より更に綺麗にまとまった構成で、人と神との切ない関係が軸となりその愛がゆえ嫉妬に狂った一人の平凡な男の悲哀。それを博物館のガラスの展示物のように綺麗に見せる監督の手腕に拍手。
(逢沢)