しんゆり名画座〜再生

ラブゴーゴー




監督:チェン・ユーシュン(陳玉勲)
1962年台北生まれ。大学在学中、教育資料学科の撮影コースで優秀な成績をおさめ、卒業後はTVドラマを演出。95年『熱帯魚』は全国シナリオコンクールで最優秀シナリオ賞を受賞、監督デビューを飾る。本作は2作目。ホウシャオシェンらの次世代の台湾映画を担う若手として注目されている。
1997年/台湾/113分
監督/チェン・ユーシュン
出演/タン・ナ、シー・イーナン、リャオ・ホェイチェン

STORY

さえないパン職人のアシェンは、ある日、小学校時代の思い出の少女が店に毎日来ることを知り、思いを伝えようと「のど自慢」に出ることを決意。押しの弱いセールスマンのアソンは、売り込みに入ったパン屋で、逆に大量のパンを買ってしまう。おデブのリリーは偶然ポケベルを拾って、運命的な出会いを夢見てダイエット大作戦を開始。台北の町で2週間の間におこる、ポップで、可笑しくて、それでいてホロリとさせられるストーリー。

COMMENT

菅原洋一に似たアシェンが、どうにかあこがれの女性に気持ちを伝えようとして、ケーキに変な名前を付けるのがなんとも可笑しい。実はアシェンとリリーを演じた人は俳優さんじゃなくて、もともと裏方さんだそう。かっこいいヒーローも、可愛いヒロインも出てこない。こんな人いるいるって笑って観ているうちに、なんだかその一生懸命さにジーンときます。いろいろあるけど、明日からがんばっていこーっと思えるお薦めの1本。

ひかりのまち

1999年/英/109分
監督/マイケル・ウィンターボトム
出演/ジナ・マッキー、シャーリー・ヘンダースン

STORY

「私はナディア。27歳。友情から始めたい人を希望します。もちろんロマンスの可能性も…」ロンドンのカフェでウェイトレスをするナディアは伝言ダイヤルで恋人探し。姉はバツイチの美容師デビー。その息子と元亭主。妊娠中の妹モリーとその旦那のエディ。いつも苛立っている母親と何もかもを諦めたような父親。そして行方知れずの弟。それなりの日々だけど、何か満たされない、もっと愛されたい、幸せになりたい。都会の片隅で必死に生きる人達のある週末を切り取った物語。

COMMENT

この映画をみるのはどんな人達でしょうか? 人生に迷いを感じている人も、迷いなんてもう断ち切っちゃった人も、そもそも迷いなんてない人も・・・。この映画の何処かに、きっと自分を見つけてしまうでしょう。『ひかりのまち』で幸せ探しをしている自分を。マイケル・ナイマンの美しい音楽と、手持ちカメラで撮影されたリアルな映像が、ロンドンのまちを優しく照らし出してくれます。がんばろうね!って誰にともなく言いたくなっちゃいます。